技術情報・バーコードの基礎知識Basic knowledge of the technical information bar code

新しい流通商品バーコードGS1 Databar

Last Update 2022.2.7

2010年からPOSで使用

GS1 Databarは、2010年1月からグローバルな流通標準シンボルとなることが国際的に承認されました。これは、国際流通標準化機関であるGS1（本部ベルギー、108カ国加盟）が定めた標準バーコードの一つで、かつては省スペースシンボルRSS（Reduced Space Symbology）と呼ばれていました。その特徴としては、JANシンボルに比べ、印刷スペースが少ないこと、消費期限やロット番号などの付加情報が表示できることです。今後は、従来のJANと併用されることになります。

2014年から本格導入

GS1 Databarは、従来のＣＣＤスキャン方式やレーザスキャン方式で読み取ることができるのですが、従来のバーコードリーダはソフト変更が必要であり、日本では殆どが未対応です。そこで、ＧＳ１は、一般消費財への世界的な本格導入を2014年からとし、それまでの4年間は、各国の判断で随時使用することになりました。米国では、2010年から青果物（ばら売り）やクーポンに使用することになっており、日本では、アプリケーション開発と実証実験を継続することになっています。いずれにしても本格導入はそう遠くないことから、システム更新時に早期対応をしておくことが重要です。

２次元シンボルの技術をバーコードに適用

GS1 Databarは、2次元シンボルの技術をバーコードに応用し、シンボルの最小化を図ると共に、バーコードの特長であるスキャニングで読取できるようになっています。したがって、従来のＣＣＤスキャナやレーザスキャナで読み取ることができますが、既存の多くのバーコードリーダは、未対応です。理論的にはデコードソフトを追加することで対応できますが、ＣＰＵ能力やメモリー容量から殆ど買い換えることになります。
シンボルは、ＪＡＮと同じように左右に分かれており、それぞれの中央に2次元シンボルのようなファイダーパターンを持っていますので、クワイエットゾーンを必要としません。また、1シンボルキャラクタで複数桁を表現する方法も2次元シンボルの技術を利用しています。更に、走査角度を広くとるためにファイダーパターンを含んで走査すれば、読取できるようになっています。また、ＧＳ１-128との整合性が取れるように、リーダは、アプリケーション識別子”01″を付加して出力するようになっています。

対象シンボルは4種類

GS1 Databarは、オムニディレクショナル、トランケート、スタックド、スタックドオムニディレクショナルの表示形式があります。また、ＧＳ1 Databarファミリーとして、梱包インジケータを”0″と”1″に制限したリミッテッドと、GS1-128のようにデータ連結ができるエクスパンデッドがあります。今回、ＧＳ１がＰＯＳで承認したシンボルは、オムニディレクショナル、スタックドオムニディレクショナル、エクスパンデッド、エクスパンデッドスタックドの4種です。

主なアプリケーション

オムニディレクショナル、スタックドオミニディレクショナル　：これらのシンボルは、ＧＴＩＮのみ表示ですので、青果物や化粧品のような印字スペースのない商品に使用されます。
エクスパンデッド、エクスパンデッドスタック　：これらにシンボルは、ＧＴＩＮの他に、賞味期限、ロット番号、重量などの情報を表示できますので、より高度な情報管理に使用されます。例えば、お弁当の販売期限、クーポン券の使用期限、牛肉固体識別番号、食肉の計量値、値引率（金額）などです。